データ復旧業者の選び方|見積書で確認する5項目と依頼前の注意
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パソコンやディスクから、カチカチ・カリカリという音がする。焦げたような臭いがする。電源を入れても動いている音がしない。このどれかに当てはまるなら、まず電源を切ってください。中の部品が壊れかけている状態で通電を続けると、業者に出しても取り出せる量が減ります。ソフトで直せる状態ではないので、ここから先は業者に相談するかどうかの判断材料として読んでください。
上のどれにも当てはまらず、復元ソフトを試した上でここに来た場合は、電源を切る必要はありません。そのまま読み進めてください。
先に結論
- 症状に心当たりがあるなら、まず電源を切ってください。読める部分を減らさないための最初の一手です(理由へ)
- 業者に依頼するかどうかは、見積書に5つの項目が書かれているかで判断します。これが揃っていない見積書は、依頼した後に想定外の請求が来る余地を残しています(5項目へ)
- 「復旧率」「売上No.1」のような数字は、算出の条件が書かれていなければ比較に使えません。数字より見積書の記載内容を見てください(理由へ)
- このページで名前を挙げている業者のうち、5項目すべてを満たすとこちらで確認できた業者は、現時点でまだありません(現状へ)
なぜ先に電源を切るのか
異音・異臭・無反応は、記憶を保存している部品そのものが壊れかけているサインです。
ソフトで直せる不具合は、ファイルの管理情報が壊れているだけで、部品自体は正常に動いています。今回の症状はこれとは違います。部品が物理的に傷んでいる状態で通電を続けると、読める範囲がそのたびに狭くなります。何度か電源を入れ直せば直るのではないかと試したくなりますが、これは逆効果です。
電源を切ったら、そのまま動かさずに保管してください。この先は、どの業者に相談するかを決めるための材料です。
見積書で確認する5項目
業者から見積書を受け取ったら、次の5つが書かれているかを確認してください。1つでも欠けている見積書は、依頼を保留する材料になります。
1. 診断・見積が無料と書かれているか。 データ復旧は、ディスクを開けて状態を調べる初期診断と、そのうえでの見積までを無料にしている業者がほとんどです。ここに料金が発生すると書かれている、または料金の記載がない見積書は、後の請求もあいまいになりがちです。
2. 成功の基準が明記されているか。 「成功報酬」という言葉だけでは、何をもって成功とするかが分かりません。目的のファイルを100%取り出せた場合を成功とするのか、一部でも取り出せれば成功とするのかで、支払う金額の納得感が変わります。この定義が書かれていない見積書には、後から「一部復旧できたので成功報酬です」と請求される余地が残ります。
3. 復旧できなかった場合の費用が明記されているか。 「復旧できなければ無料」という言い方には幅があります。技術料は無料でも、機器の分解費用や診断料が別に請求される業者もあります。失敗した場合に一切の支払いが発生しないのか、一部は発生するのかを確認してください。
4. 返送料・キャンセル料の扱いが明記されているか。 依頼を取りやめた場合や、見積を見て断る場合に、機器を送り返す送料や手数料がかかることがあります。これが書かれていない見積書は、依頼した後に断りづらくなる要因になります。
5. 所在地と法人格が確認できるか。 個人のデータを預ける先なので、会社としての実体があるかを確認してください。住所が私書箱や一時的なレンタルオフィスだけで、法人としての登記が確認できない場合は注意が必要です。
「復旧率」の数字だけでは選べない
比較サイトでは「復旧件数割合92.6%」のような数字がよく使われますが、この数字だけでは業者同士を比較できません。
大きな理由は、算出の条件が業者ごとに違うことです。目的のファイルを完全に取り出せた場合だけを数えているのか、一部でも取り出せれば数えているのか。集計した期間はいつからいつまでか。この条件が書かれていない数字は、隣の業者の数字と並べても意味を持ちません。同じ「92.6%」でも、定義と算出期間が示されていて初めて比較の材料になります。
数字を見るときは、その数字の定義と算出期間が書かれているかまで確認してください。書かれていない数字は、参考程度にとどめるのが実際的です。
このページで名前を挙げている業者の現状
上の5項目は、業者を推薦するための基準ではなく、依頼する側が自分で確認するための基準として書いています。実際に、このページが5項目すべてを満たすと確認できている業者は、今のところありません。
デジタルデータリカバリー(デジタルデータソリューション株式会社)は、対応機器の幅広さや相談実績の多さから比較記事でよく名前が挙がる業者ですが、5項目それぞれの記載内容をこちらでまだ照合できていません。確認でき次第、この記事と関連ページに反映します。
比較記事に頻繁に出てくる他の業者についても同様で、社名を並べて「おすすめ」と書くことはしません。5項目を確認できた業者から、名前と根拠つきで案内します。
複数社に見積を取るときの注意
1社だけの見積で決めず、可能なら2〜3社に見積を依頼してください。金額だけでなく、上の5項目への答え方も比較材料になります。
質問に対して具体的な数字や条件で答える業者と、「お任せください」「弊社の実績なら問題ありません」といった言葉で濁す業者とでは、後者のほうが依頼後にトラブルになりやすい傾向があります。電話や窓口で5項目を1つずつ聞き、答えをメモしておくと、複数社を後で比較しやすくなります。
機器の郵送を求められた場合は、送付前に上記の返送料・キャンセル料の扱いを確認してから送ってください。
よくある質問
見積無料と書いてあれば、それだけで依頼して大丈夫ですか
見積無料は5項目のうちの1つに過ぎません。残り4項目、特に成功の基準と失敗時の費用が書かれているかを確認してから判断してください。
電源を入れ直して症状が消えたら、もう大丈夫ですか
症状が一時的に消えても、部品の状態が元に戻ったとは限りません。次に電源を入れたときにまったく反応しなくなることもあるため、異音・異臭が一度でも出た機器は、重要なデータが入っている場合は使い続けずに業者へ相談することを検討してください。
見積の金額が業者によって大きく違うのはなぜですか
対応する障害の種類や、社内で直接作業するか外部に委託するかで原価が変わるためです。安さだけで選ぶと、5項目の記載が薄い業者に当たりやすくなります。金額と5項目の両方を見て判断してください。
自分でソフトを試してから業者に依頼しても遅くないですか
異音・異臭・無反応のいずれもなく、パソコンが問題なく動いている状態であれば、先に復元ソフトの無料版で確認するほうが費用はかかりません。上の3つのどれかに当てはまる場合は、ソフトを試さずに今の状態のまま業者に相談してください。
このページの5項目は、業界の一般的な商習慣と公表されている料金体系の記載を基に作成しています。個別の業者の対応は変わることがあるため、依頼前に最新の見積書で確認してください。